【少年野球】セットポジションからの投球でフォームが崩れ
教材購入者の方からこのような質問をいただきました。
【質問】
はじめてメールをさせていただきます。
「お父さんのための野球教室~選手達がグングン成長する奇跡の投手育成法~」のDVDをを拝見させていただきました。
具体的なポイントをわかりやすく解説していただきありがとうございます。
一つ質問をさせてください。
子供は小学5年です。
息子と一緒にビデオを見て、ワインドアップの投球ではフォームも安定してきて、ストライクが先行できるようになってきているのですが、セットアップポジションからの投球でフォームが崩れ、コントロールが安定しません。
セットアップポジションからの投球では、どのような点に気を付けたらよいのでしょうか。
具体的にアドバイスしていただけません
でしょうか・・・。
どうぞよろしくお願いいたします。
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■ フォームの長所と短所を理解し使い分けをする
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セットポジションでは大きく二つの投げ方があります。
まずこのことを頭の中で整理しておきましょう。
一つは通常通り足を高い位置まで上げて投げる方法、二つ目はクイックで投げる方法があります。
一つ目の足を上げる場合は、通常のワインドアップ(振りかぶって投げる)は振りかぶって投げるフォームと足を上げてからは同じ動作になります。
ですから投球の感覚やタイミング、またスピードやコントロールはあまり意識しなくてもほぼワインドアップと同等のものを求めることが出来ます。
ただ、足を上げる分ボールをリリースするまでの間が大きくなるので、盗塁されるリスクが高まります。
逆にクイックで投げる方法は足を上げない分、ボールをリリースするまでの間が小さくなり、盗塁され難いという利点はありますが、タイミングや感覚がワインドアップと少し異なります。
この二つの方法を使い分け出来なくてピッチングを乱すことがよくあります。
それはそれぞれの長所だけを良いとこ取りをしようとする投げ方、つまり急いで高く足を上げて投げようとすることです。
上記で書いた通りそれぞれのフォームでは長所と短所が絶対にあり、その長所だけを引っ張りだそうとしても、やはり無理が生じます。
ですから、足を上げて制球やスピード(対打者)を重視して投げる場面であるか、クイックで投げて盗塁・進塁(対走者)を意識しなければいけない場面かということをまずは頭の中で整理して投球動作に入らなければいけません。
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■ クイックは急がない
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ここで問題となってくるのがクイックモーションについてです。
「クイックで投げろ」と言われると、その言葉の持つ性質からどうしても「急いで」投げようとする意識が働きます。
クイックモーションがどういうものかを理解しないまま、させないまま投げさせるとその言葉の持つ意味だけが頭の中で先行します。
そうするとその選手は「急いで投げる」、つまり先ほど書きました通り急いで足を高く上げて、急いで足を踏み出して投げようとします。
そしてその動きに上半身や腕が付いてこずに、制球やスピードを落としてしまうという結果になってしまいます。
そうならないためにもクイックモーションとは何かということを理解しておく必要があります。
「クイックモーションとは足を高く上げずに投げるだけ」と理解して下さい。
足を上げるという行為はDVDの中で「投げる力を作る」ための動作と説明しています。
そうするとクイックモーションでは投げる力を作ることが出来ないのか?ということになりますが、足を上げる行為の代替えの方法があります。
まずはセットポジションをとってみてください。
そして、踏み出す足(右投手なら左足)の膝を内側に入れて、軸足(右投手なら右足)の膝に軽く当ててみて下さい。
そして踏み出すだけです。
これがクイックモーションです。
この時に意識していただきたいポイントは二つあります。
一つは膝どうしが振れる瞬間に踏み出す足は少し地面から離れます。
この時、軸足にかかる「重み」を意識して感じて下さい。
これが足を上げた時に作られる「投げる力」と同じものです。
二つ目は踏み出す足の膝を内側に入れる時に、上半身がつられて内側に入ってしまわないように意識してください。
内側に入るのは膝のみです(だから股関節の柔軟性というのは大切なんですね)。
この二つを落ち着いて意識して投げてみて下さい。
フォーム自体を急いで動かす必要はありません。
足を上げないのでリリースするまでの時間はちゃんと短縮されています。
逆に急がず上記のポイントを意識して投げれば、リリースまでの時間を短縮し制球やスピードも落とさず投げることができます。
私の場合、余分な動作や力を出すことがないので、通常のワインドアップよりも安定した投球ができました。
クイックモーションと言うとどうしても「急ぐ・素早く」というイメージになってしまいがちですが、足を上げる動作の「ショートカット」とイメージしていただくと理解しやすいと思います。
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