スライダー回転が治らん!少年野球の投手が今すぐ試したい2つの修正法
質問 スライダー回転を防ぐ為の練習法を教えて下さい。
教材購入者の方からこのような質問をいただきました。
【質問】
ストレートを投げると、自然に、スライダー回転になる右投手(中学2年生、硬式シニアリーグ)がいます。
ストレートを投げる時に、スライダー回転を防ぐ為の練習法を教えて下さい。
その投手の状況をもう少し詳しく言いますと、右のオーバースロー投手で、全身をダイナミックに使って投げる子で、元阪神エースの村山投手にちなんで、ザトペック投法みたいやな、と冗談で言っています。
上背はそれほどないが、太ももから腰にかけて、しっかり肉が付いており、身体のパワー、切れもそこそこあり、投手フィールディングもうまく、打撃力もある子です。
ピンチになっても動じない(顔に出さない)子で、派手さはないが、内に秘めた闘志を持った性格だと分析してます。
ボールを投げる時の腰の回転が、縦ではなく、横方向に駒のように回転するので、サイドハンドに変えたほうが良いと、
昨年、チーム内の別の指導者から指摘され、一時、サイドスローに取り組んだが、本人が、今ひとつしっくりこないという理由で(球のスピードが弱くなるという理由で)、結局本人の意思を尊重して元のオーバーハンドに戻しました。
ストレート、縦回転のカーブ、スライダー(カットボール気味で来ます)、フォークの4種類の球種を投げます。
私が見たところ、上半身も強く、引っ張る力が強い。
左足を上げて、軸足体重になって、一旦軸足へためてから体重移動に移る時、前足の方へ、かなりスエーします。
その時、前へスエーしながら、腰の回転がいわゆるオーバースロー投手の縦回転ではなく、横回転のひねりになります。
また、引っ張る力が強い為なのか、体重移動して、右腕がトップの位置に入る時、トップの右手の位置が、捕手側にかなり深く入り、トップが大きすぎるかな?と思います。
(トップの位置が大きいとは言え、右ひじの角度は、90度くらいになっており、トップでひじが90度以上に開き、右手がセカンド方向に開いているという事ではありません。ただ楽天、田中投手のように、トップが小さく、フォロースルーが大きいという、今、はやりの投げ方から比較すると、トップが深すぎるかな?というのが私の感想です。間違っていてはいけないので、まだ本人には指摘してません)
とにかく、現象として、キャッチャーを立たせての投球練習でも、ストレートがスライダー回転してしまいます。
前に、シュート回転してしまう事の原因は早く体が開きすぎる事なので、前の足が完全に着地してから、腕を振るように、とのアドバイスを読まさせて頂きました。
反対に、スライダー回転してしまう、投手の矯正法を教えて下さい。
実は私自身も、キャッチボールで、本塁から二塁間ぐらいの距離を、低い軌道で思い切り投げると、スライダー回転してしまいます。
(特に、軟球でキャッチボールするとスライダー回転しやすい)
自己流で、リリースする時に、親指から地面の方に向かって、切るイメージで、つまり、シュート回転させるようなイメージでリリースして、スライダー回転を防ぐ、自己流の矯正法を試しています。
これは正しい矯正法なのでしょうか?
あるいは、スライダー回転する事は、気にせず、放っておいた方が良いのでしょうか?
正しい考え方、矯正法について、アドバイスをお願いします。
スライダー回転する場合の修正
今回頂きました状況(指導されている内容など)でスライダー回転する場合、まずは2つのポイントで修正を行ってみて下さい。
一つは軸足を置くプレートの位置を一塁側の端を使って投げてみて下さい。
特にブルペンでは思いきり左端を使ってみて下さい。
そうすると投げる方向の意識が全て向かって右側へ向くので、体の使い方を縦にする必要が出てきます。
二つ目は、踏み出した足つまり左足のすぐ外側へ腕を振り下ろし、地面を触るように意識してみて下さい。
これも狙いは体の使い方をより縦に意識させることです。
勝手にカーブ(スライド)回転してしまう場合、指先で調整しようとすると(言葉では表現しにくいのですが)しっくりこずに感覚がわからなくなってしまうことがあります。
ですから、あまり手元は気にさせずに自然と体の使い方を縦に捻るようにもっていく取り組みが必要だと考えています。
上記二つの取り組みで修正をかけてみてあげて下さい。
お父さんのための野球教室
1978年生まれ。奈良県出身。大学関西地方リーグで最優秀投手賞(’97年)、最優秀選手賞(’99年)を受賞し、野球部創設以来初の全国大学野球選手権大会に2度出場。最高成績はベスト8。東海地区、社会人野球の名門へ進み、社会人野球の甲子園である都市対抗野球大会に2度の出場。引退後は、人気野球指導ブログ「お父さんのための野球教室」を開設。体系的でわかり過ぎる野球指導法は小学生の保護者に爆発的な支持を得て、DVDや書籍化。現在も、ブログでの指導法の発信、高校野球の現場で学生野球選手のサポート活動を精力的に行う。
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