イップスを克服するために一番大切な考え方とは?
お父さんのための野球教室のブログをご覧の皆さんこんにちは!
京都市北区にあります、MORIピッチングラボ代表の森です。
今回も、野球のピッチングにおけるヒントやコツをお伝えします。
私の元には、イップスでお悩みの選手が多く来られます。
そのような選手を見てきた中で、イップスが治りやすい人と治りにくい人がいて、そこには共通ポイントがあるということがわかりました。
イップスを改善するには、メンタルのケアと技術的な改善が欠かせません。
イップスが治りにくい人の共通のポイントは、技術の方ではなくメンタルの方にあるのでそれをお話したいと思います。
イップスを改善するには、イップスであることをきちんと受け入れられているかどうかがとても重要になってきます。
この受け入れられているかどうかというのは表面的な話ではなく、心の底からイップスであることを受け入れられているかということです。
これがイップスを克服するのに、最も重要になってきます。
イップスであることに、自覚があるというだけの話ではありません。
「心の底から、受け入れられているか」が大切なのです。
心の底から受け入れられない人とは?
- 自分をよりよく見せたい!
- 自分はこんなはずじゃない、もっとできるはず!
- 誰かのせいでこうなってしまった!
という考えを持っているようでは、正しく受け入れられているということにはなりません。
できない自分を素直に認めて、自分の能力を理解して、じゃあどうすればいいのかという前向きな考えを持つ。
これができて初めて、イップスを改善するスタートラインに立てるんです。
イップスになる原因は、様々です。
間違った指導を受けて、イップスになる方も実際いらっしゃいます。
しかし、それがすべてではありません。
実際に、イップスになってしまうほとんどの人が、技術的に足りない部分があります。
これはどのようなレベルの人でも、たとえプロでも同じです。
2軍の選手と1軍の選手は違いますし、控えの選手とレギュラーの選手でも違います。
控えの選手がレギュラーの選手を見て、
- 自分もああなりたい
- ああいう風にしたい
という理想や目標がうまれます。
この理想目標と現実にギャップがあれば、その時点で技術的な不足があるということになります。
どのようなレベルの選手であっても、必ず技術的な問題がついて回るんです。
技術不足とは?
- こういう風にあるべきだ
- こういう風にしなければならない
という思考と技術にほんの少しのズレが発生してしまうと、そのずれが次第に少しずつ大きくなって溝が深くなってしまうということがあります。
この理想と技術のズレ、溝が大きくなればなるほど、イップスの改善が難しくなっていきます。
この意識と技術のズレを見つけ出して、アプローチしていけば、イップスが改善する可能性は十分にあります。
プロの動画をたくさん見て、投げ方を真似しよう・同じようにやってみようとしても、
- 筋力
- 柔軟性
- 体の使い方
- イメージ
に違いが出てきます。
こういうものがあるだけで、全く同じ動作は取れません。
これが、技術のズレの一つです。
イップスでお悩みの方は、特に腕の使い方や手首指先に意識を持ってしまいますが、これも実際は下半身からの連動によって腕が振られるし、手首や指は使うものです。
その連動の点で改善されなければ、腕を使おうと意識すればするほど溝が深くなっていって治りにくいイップスになってしまいます。
特に意識していないし、大きく目標に持っている訳ではないけど、知らず知らずのうちにイップスになってしまったという方も中にはいらっしゃると思います。
こういう方でも、ケガを知らり疲労が蓄積していつものパフォーマンスができなかったり、成長期に骨格や筋肉、骨が変化していくことによって今までと同じことができなくなった。
それに気づかずに、一生懸命努力して改善しよう治そうとすることも、また溝を深めてしまう原因の一つです。
まじめな方や、頑張り屋さんの方ほどそういった傾向にあると思います。
過大評価・過信はダメ
「自信を持たないで」と、言っているのではありません。
ただ、自分には足りないところがあるというのを常に意識しておいてほしいです。
例えば、サッカーの有名な本田圭佑選手。
彼の言葉には
- 伸びしろがある
- まだまだ成長できる
- 上を目指します
などの言葉が多く発せられます。
彼のこの言葉には、自分がまだまだそこに達していないと、できていない自分を客観的に認めて理解できているんです。
だからこそ、今の自分の立場から上の立場へ向かっていかないといけないという前向きな言葉が出てきます。
過信と自信は似ているようで全く違います。
過信をするのではなく自信をつけるというプロセスを踏んでいくことが、とても重要になります。
前向きな意識を持って、自分の理想と現実の技術の差、ギャップを正しく見つけ出してアプローチができれば、皆さんのそのお悩みも解決できるはずだと信じています。
私は決して皆さんに技術がない、過信するなと言っているわけではありません。
技術が足りないということは、理想を持って向かっているという現状があるということです。
皆さんも、現時点での技術の足りない部分を知り、現状を認めることでスタートラインに立ち、前に進んでほしいと思います。
鹿児島県沖永良部島出身
鹿児島樟南高校で甲子園出場
京都市北区北野白梅町で、もり鍼灸整骨院を運営する傍ら、ピッチングラボを開設。
野球専門治療に始まり、ピッチングの指導を行う。
これまで全国3000人近くの選手や子供たちの指導に携わる。
ピッチングラボでは、野球で肩や肘を壊すことなく、長く野球を楽しんでもらうためのサポートをおこなっている。
MORIピッチングラボ代表
もり鍼灸整骨院 院長
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