どのように自分自身をコントロールしていくか
教材購入者の方からこのような質問をいただきました。
【質問】
ピッチングに関してはコントロールもよく、そこそこですが、
1.上位打線には強いが下位打線にフォアボールを与える。ヒットを打たれる。
2.2ストライクまでは簡単に取るが、3ストライク目がなかなか取れない。
3.2アウトからのフォアボールでの失点を許す。
こんな傾向が見られます。
本人いわく、下位打線、2ストライク、2アウトの場合心の中で、何か安心してしまう気がすると言っています。
「最後まで気を抜くな」と言ってはいますが、これは心理として当然のことのように思います。
桜井さんならこの辺の心理をどうコントロールするのか聞いてみたいと本人が言っており、今回ご質問させていただくことになりました。
よろしくアドバイスをお願いします。
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■ どのように自分自身をコントロールしていくか
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私も同じ経験がたくさんあります。
その度に同じ様に「気を抜くな」と言われた記憶があります。
充分にそのことは理解してはいるのですが、人間ですのでどうしても安心したり、気を抜いたりしてしまいます。
どうやって自分自身をコントロールしていくか、どのようにバッターに対峙していくか、私自身の克服方法を書かせていただきます。
まず1についてですが、確かに精神的影響はあります。
ただ、もう一度打たれたバッターの特徴を分析してみて下さい。
例えばですが、3番・4番・5番という上位打線の打者はスイングをかけてきてくれたり、体が大きく的が作りやすかったりするので、以外に投げやすいということはあります。
逆に下位になると、じっくりとボールを見てきたり、小さく構えたり、バントの構えをしてきたりと結構投げづらいということがあります。
人間はやり易い・楽しいと思えることは放っておいても自然に意識が集中していきますが、やり難い・嫌だと思うことは相当我慢をしないと意識を集中しなければいけませんし、何か自分に都合のいい言い訳を正当化してその場から逃げ出してしまいます。
意識を集中させるために我慢することも必要ですが、それでも限界はあります。
ですから、やり易い・楽しいと思えるような取組みが必要となってきます。
そのためにはまず自分が打たれている打者、なんか投げにくいなあと思う打者の特徴を一度ノートに書き出してみて下さい。
難しく書く必要はありません。
箇条書きでOKです。
「こんなバッターは嫌だ」をテーマに、自分が普段マウンドで感じるままに書いて下さい。
出てきたバッターがまさに今の課題であり、ブルペンで取り組まなければいけないことです。
そのイメージに近い打者にブルペンに立ってもらったり、バッティングピッチャーを行ったり、相手がいない場合はバッターボックスにその苦手なバッターをしっかりとイメージして投げて下さい。
そして、次の試合で一人一人のバッターに対しボールを投げる前に、得意なのか苦手なのか評価をしてあげて下さい。
苦手なバッターならそこが意識を集中するポイントです。
「僕はこういう苦手なバッターの対策をしっかりと練習してきた」ことで集中すポイントがここであるということが自ずと理解でき、意識の集中が必ず高まります。
そこで結果が出れば、「投げ難い」を「楽しい」に変えていくことができます。
例えその場で結果が出なくても、課題がはっきりと理解できますので次の練習と機会につなげていくことが出来ます。
このようなルーティンを作ることで、自然に集中・意識すべきポイントが明確に理解し被安打や被出塁を抑える一つの集中方法として下さい。
2についても1の克服の仕方で対応していく一方で、そこへストライクの取り方という技術的な部分を見直してみて下さい。
一概に投球パターンを設定することが出来ないことはご理解をいただけるかと思いますが、基本的な考え方として覚えておいていただきたいことは、まず、コースについては出来るだけ甘いボールでストライクを取り、後になればなるほど難しいコースに寄せていくということ。
ストレートのスピードは可能な限り抑えておくということです。
ストレートのスピードを調節するのは以外に難しいため、投球動作を崩してしまうこともありますので、試合では可能な限りという認識に留めておいて下さい。
後になればなるほど難しいボールを投げるというのは、一見当たり前のことかと思ってしまうのですが、案外その逆の結果になる場合が多いです。
初球は精神的にもリフレッシュしていることが多く、初球にバーンと外角低めのギリギリいっぱいに投げてしまう傾向があります。
気分を良くして次も同じコースへ。
投手が有利かと思いきや、投げるところがない。
投手は前の球がいい球だった場合、それと同じかもしくはそれ以上に投げたいと考えてしまいがちで、その結果力が入りシュート回転でど真ん中へ。
という落とし穴がたくさんあります。
いくら良い決め球を持っていたとしても、毎回ツーストライクから同じ球を投げるわけにもいきません。
ですから決め球としているボール以外でも決めるために、先述の投げ方を頭において投球を行うようにしてみて下さい。
これは捕手と意識をあわせておかなければ、真ん中に投げたくてもギリギリにミットを構えられますので、しっかりと捕手へ意思を伝えておく必要があります。
もし初球にギリギリいっぱいにきまったら、意識を集中させるポイントだと判断して下さい。
次にボールを投げてリセットしたり、少し間合いを変えて打者とのリズムを変えたりと対応します。
1と同じように集中すべきポイントが理解できていると、頭の切り替えがスムーズに行えます。
そのためにも先ほどの基本コンセプトを頭において投球を行って下さい。
3のパターンも1と2の対応でその確立を低く抑えることは可能です。
今ピッチャーマウンドに立った時、どのような気持ちでいるでしょうか?
よく打つ打者が揃った打線に投げる場合、気が抜けるところがなく1試合ももつのだろうかと不安になったり、臆病になったりする気持ちがあります。
ですが、もし「次の球が人生最後の1球」と言われたらどういう気持ちになるでしょうか?
後悔したくないから、その1球に全ての意識を集中させると思います。
そこに不安も臆病な気持ちはないと思います。
1試合を投げることはその1球の積み重ねです。
ですから次の球で人生最後の投球になっても絶対後悔しない球を投げると強く思って投げて下さい。
そしてそれは試合本番だけで出来るものではありません。
キャッチボール・投球練習から意識し続けていかなければいけません。
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