肘の上げる意識の切り替え
教材購入者の方からこのような質問をいただきました。
【質問】
小学4年生の息子が野球を始めて2年経ちます。
普段はサードですが、時々ストッパーとして最後のイニングを投げることがあります。
気になるのは、肩痛です。
神宮球場のバッティングドームで計測した球速は70km程度ですが、肩は強いほうだと思います。
その肩の強さに頼っている投げ方に見えますので、肩の上部・前部・後部に痛みがあります。
桜井さんのDVDを見て、左足が着地する前に投げ始める癖は少しは良くなりましたが、体重移動が終わる前に投げ終わっているように見えます。
コントロールが定まらず、手が縮こまって球がショートバウンドするため四球が多く、シュート回転して右打者に死球を与えることも多いため、玉数は極端に多いです。(1イニングで30球、3イニングで60球、4イニングで70球など)
玉数が多いから肩痛がひどくなるのでしょう。
まず何から手を付ければよいでしょうか?
所属チームのピッチングコーチは、テイクバック時に肘を限界まで垂直方向に上げてから後頭部に手の甲を当てるようにと指導していますが、そのようにすれば、肩の可動域が広がって肩痛の防止ができるのでしょうか?
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■ 肘の上げる意識の切り替え
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まず肩の痛みですが、常に痛みがある場合はまずは医療機関で診察を受けて下さい。
球数が多くて痛みがあるのでは無く、負荷が重なり痛みが出ると私は考えております。
自分にフィットしたフォーム(適正なフォーム)で投げることが出来れば、筋肉痛などを除き、少々の球数を投げても痛みが出る可能性は少ないです。
そして一つ気になったのが、「所属チームのピッチングコーチは、テイクバック時に肘を限界まで垂直方向に上げてから後頭部に手の甲を当てるようにと指導しています」という部分です。
恐らくご自身も少し疑問に思っておられるのかと思いますが、テイクバック時に肘を垂直に上げること、さらに限界まで上げるというのは肩周りの動きが窮屈になってしまいます。
この窮屈な状態を実際に試していただくとすぐにわかりますが、肩の周りの筋肉に自然と力が入ってしまってしまいます。
「力を抜いて投げてみろ」とよく言われますが、これでは「力を入れて投げてみろ」と言ってるのと同じことになり、力を入れて投げると体が思うように動かなくなります。
そのためにそのあとの腕の振りが小さくなってしまい、結果としてボールに力が入らないということになってしまいます。
実際に動画でのフォームを見せていただきましたが、テイクバック時の肘の使い方によって肩周りに力が入ってしまっています。
正しいイメージとしてはテイクバック時には肘や肩周りの力を抜き動きに余裕を持たせることで最後の腕の振りを大きくしていきたいと思います。
ですから、テイクバック時に無理に肘を高く上げようとするのではなく、手の甲だけを右の耳の上辺りに上げてくる意識に切り替えてみて下さい。
恐らく肘が下がったように見えるので、肘を上げさせてこようとコーチが肘を出来るだけ垂直に上げなさいとおっしゃったと思います。
肘が下がっている(ように見える)原因は、腕を振る直前に大きく体が開いてしまうことにあります。
肘が下がるのではなく、体が開くことにより肘が下がっているように感じてしまいます。
ですから、この体の開きを少し抑えてあげなくてはいけません。
そこでグラブの使い方を少し変えてあげてみてください。
投げる直前にグラブを前に出します。
がそのグラブは体の左外側へ流れていきます。
この動きによって体が開かれてしまいます。
ですからこの前に差し出したグラブを自分の左脇の下から左腰の位置の間にグラブを持ってくるようにします。
この時に注意をしていただきたいことは、思い切りグラブを引っ張ってくるように動かさないことです。
あまり強く引っ張って自分のところにグラブを戻してくると、今度はその動きを意識するあまりボールを持った腕が振れなくなることがあります。
コツとしては、上半身も投げにかかっているので当然ホーム方向に向かっていますので、差し出したグラブと自分の体の中間地点でグラブと自分の脇の下がくっつくイメージを持っておいて下さい。
そこでグラブと体が出会う意識さえもっておけば、それほど強い力でグラブを引っ張らなくても自然とグラブは自分の体へ戻ってきます。
長々となりましたが、肘の上げる意識の切り替えとグラブの使い方をキャッチボールから意識して取り組んでみて下さい。
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