【少年野球】投げ急ぐ投手に必要なたった一つのアドバイスとは?



投げ急ぎには、2種類ある

お父さんのための野球教室の桜井です。

さて、軸足を使って「投げ急ぎ」を回避する方法を書いてく。

投げ急ぎの意味は2つある。

ひとつは、投手が有利なカウントなのに、甘いコースに投げてしまって打たれる残念なやつ。

2球で2ストライクに追い込んでからの3球目をド真ん中。

で、カチンと打たれるというやつね。

もうひとつは、投球の動作が速くなったり、投球の間隔が早くなったりする空回り的なやつ。

投球動作・間隔が早くなるタイプ

で、今日話題にするのは後者。

投球動作・間隔が早くなってしまう“投げ急ぎ”のほう。

投げ急いでしまう時、あるよね。

早くストライクが欲しい…

早くアウトを取りたい…

早くこのピンチを切り抜けたい…

早く、早く、早く…

フォアボールを続けて出してしまった時のあの気まずい空気、

一秒でも早くなんとかしたいよね。

ピンチの時のプレッシャー、半端ないよね。

なるはやで切り抜けてベンチでホッと休みたい。

ボクもピッチャーだったからよくわかる。

そんな逸る(はやる)気持ちが

投球フォームをキュルキュルと早送りにして、投球の間隔を短くして、一人だけ息が上がって…。

だがしかし、そんな一刻も早く良い結果が欲しい時だからこそ、投げ急ぎはダメ。

息継ぎもなしに泳ぎ続けたら、アップアップになっちゃうよね。

投手が投げ急いではいけない最大の理由

で、投手が投げ急いではいけない最大の理由のひとつは、ボールを投げる力が十分に腕に伝わっていないのにボールを投げなくてはいけないこと。

ボールを投げる力…つまり腕を振る力と指先からボールに与える力は、

本来、下半身の大きなところから上半身へ伝わって、

上半身から腕・指先の細いところへ集中させていくことで増幅する。

ところが投げ急いでしまうと、下半身の力が腕や指先に伝わる前に、腕を振ってボールをリリースしないといけない。

ので、腕は自ら力を出力しないといけなくなる。

だから腕に力が入って振りは鈍くなる。

そうすると

スピードが出ないのは言うまでもないのだけれど、ピッチングフォームのバランスを崩しやすいからコントロールも乱れる。

バランスが崩れるというのは、右投手で言うと、右半身が後ろに残って、左半身が前に突っ込んじゃう感じ。

投げにくいよね。でも、投げ急ぐとそうなる。

で、投げ急ぐな!って言っても急いじゃうよね。

ほとんどが無意識だから。

そんでもって、走者がいる場合に、投げ急ぐなって言うと、盗塁されるかもしれないって気持ちになるし、でも急いじゃいけないしで、もう頭の中はパルプンテ。

それに、急ぐなって言葉抽象的だよね。むずいよね。

どうなったら急いでいないのかよくわからない。

体重が軸足に全て乗ったら踏み出して良い

だから、ここからは対処法。

具体的にどのようになったら投げて良いか、もっと具体的に言えば、

どんな感覚を感じたら踏み出す動作を始めて良いか、を知っておこう。

ここまでの前置きが長過ぎたから結論から言うと、足を上げた後、体重が軸足に全て乗ったら踏み出して良い。

逆を言えば、足を上げた後、体重が軸足に全て乗っていないのに踏み出すな。

体重が軸足に乗る感覚は、人それぞれなので

イメージの描写はしないけれど、

とにかく足を上げた後、軸足にすべての体重を乗せ切ってから踏み出す。

このルール・基準ができると、「あ、今のは投げ急いじゃったな」と投手自身で理解できるようになる。

つまり、試合中に自分で修正する力がつくというわけ。

投げ急いでいるなって周りで見ていて感じたら、

「軸足に全部の体重を乗せてから投げようね」と

優しくアドバイスしてあげて。

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この記事を書いた人川端健太桜井一
お父さんのための野球教室
1978年生まれ。奈良県出身。大学関西地方リーグで最優秀投手賞(’97年)、最優秀選手賞(’99年)を受賞し、野球部創設以来初の全国大学野球選手権大会に2度出場。最高成績はベスト8。東海地区、社会人野球の名門へ進み、社会人野球の甲子園である都市対抗野球大会に2度の出場。引退後は、人気野球指導ブログ「お父さんのための野球教室」を開設。体系的でわかり過ぎる野球指導法は小学生の保護者に爆発的な支持を得て、DVDや書籍化。現在も、ブログでの指導法の発信、高校野球の現場で学生野球選手のサポート活動を精力的に行う。

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