タメとスライダー回転の関係について
DVD購入者の方からこのような質問をいただきました。
【質問】
桜井さんに質問があります。
うちのエースに桜井さんの教えの体重移動を教えたところ、今までのスライダー回転がなくなり、非常に切れのある球をなげられるようになりました。
ありがとうございました。
しかし、最近入ってきたコーチがタメをはき違えており、足を上げ、足をおろしたところでフォームを止めさせます。
「タメ」を作るためだといっています。
このフォームで投げると、スライダー回転をしてしまいます。
私の考えでは、足は切れよく上げて、リズムよく投げる。
そうすると切れのある生きた球が投げられる。
という考えです。
切れよく上げ、その勢い(いわゆる一連の動作)で投げているときは、バランスが良いのですが、足をおろしたところで止まると、軸足に体重が残りすぎて、バランスを崩し、止めたところで余分な力が入ってしまうような気がします。
そこのところはどうなのでしょうか?教えていただければと思います。
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■ タメとスライダー回転の関係について
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今回のコーチの方が指導した後にスライダー回転した理由は結論から言いますと、足を下ろした(踏み出した)時に、動作を止めたことにより、上半身の動きが横回転となり、ボールに伝わる力の位置がボールの正面からではなく側面方向に変わってしまったことにあります。
地球儀を回す動作をイメージしていただくと、わかりやすいのではないかと思います。
地球儀を回す時は必ず地球儀の外側に力を加えることで、地球儀はスライダーと同じ回転で回ります。
上半身が横回転になると、地球儀を回すのと同じようにボールの外側方向に力が加わりやすくなります。
以前の良い状態は上半身は縦回転(縦のひねり)で、ボールの正面から力を加えることが出来ていた状態です。
スライダーになる状態は、足を踏み出した時にフォームを止めたことにより、そこまでに作った投げる力がリセットされ、新たに投げる力を作るために、上半身を横回転(横の捻り)させています。
余分なところに力が入っていると観ておられるのも、まさに上半身だけで投げる力を作らないといけないがために体を横に回転させている状態です。
タメは踏み出し足への体重移動によってできるものなので、踏み出した時にストップをするだけはタメは出来ません。
フォームを作っていく上での確認作業としてなら、踏み出した時にストップするのは良いのですが、最終的には”踏み出し”→”体重移動”は一連の動作で行わなければいけません。
息子さんへのアドバイスとして、まず「踏み出した足に力(体重)をかけるときは、投げたい方向へ力をかけてるように意識してごらん」と言ってあげて下さい。
そして、もしキャッチャーやキャッチボールの相手になる際は、息子さんが投げる前に、横に大きく両手を拡げてあげて、そこから前にならえの形をとり、「ここに向かって投げてきてごらん」と声をかけてあげて下さい。
その狙いは目標となる投げる方向を意識の中で絞り込ませてあげることにあります。
大きく両手を拡げてあげることで大きな的を作ってあげて、投げられるという安心感を与えてあげます。
そして、前にならえをしてあげることで、そのラインが頭の中に焼き付けられ、投げる力の方向(力の向き)を決定しやすくします。
後は、コーチの方が踏み出した時に止める狙いをもう一度確認し、これまでの経緯などもきちんと確認しあって、現在行われている練習のGo・Stopを判断していただきたいと思います。
スライダー回転のフォームの修正についてはコチラの映像で詳しく解説しています。
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