投球フォームは小学生の腕に負担のかかる?毎日投球練習はどうすればいい?
教材購入者の方からこのような質問をいただきました。
【質問】
DVD大変参考になりました。
息子(小学5年生)と何回も見て投 球練習をしました。
おかげさまで、これまで何回も「肘を上げろ」と言っていましたが、今ではほとんど言うこともなくなりました。
コントロールもよくなり フォアボールも少なくなりました。
監督やコーチの目にもとまり、いろいろ指導をしていただけるようにもなりました。
本当にありがとうございます。
ここで2点質問があります。
試合続きのゴールデンウィークが終わって、肘の内側が少し痛いと言い出したのです。
ここ4日間は投球を控えたので、痛みはもうなく問題はないと思うのですが、野球肘の 原因としては、投げすぎと悪いフォームがあると聞きました。
確かにゴールデンウィーク中は、早く投球フォームをマスターしたくて、練習を沢山しましたし、試合もありました。
また、一方で、投球フォームも変わりました。
肘が下がり横からボールが出ていたものが、肘が上がり、完全なオーバースローに変わりました。
私としては投球フォームが改善され、腕の負担も減ったとおもっていますので、投球練習のし過ぎが原因ではないかと思っております。
そこで1点目の質問ですが、桜井さんに教えていただいた投球フォームは小学生の腕に負担のかかるものではないでしょうか?
フォームが改善され腕の負担が少なくなったと考えてよろしいでしょうか。
また、桜井さんのテキストには、肩に負担のかからない範囲でどんどん投球練習をして肩を鍛えた方がいいとありましたし、美しい投球フォームを自分のものにするために毎日投球練習をしたいのですが、 野球肘が心配なので、投球は土日のチームの練習のときだけにし、平日はバッティング練習をしようかと考えています。
この点について、何かアドバイスはありませんでしょうか。
これが2点目の質問です。
息子は桜井さんのDVDで練習してから投球に自信をもつ ようになり楽しそうです。
野球に門外漢の私もきれいなフォームになったと感謝しております。
これからどんどん練習をすればいいピッチャーにな れると思っているだけに、野球肘にならないように練習を制限しなくてはならないという事実は衝撃的です。
何かアドバイスをいただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
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■ご質問1 投球フォームは小学生の腕に負担のかかる?
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投球フォームは小学生の腕に負担のかかるものではないでしょうか?
フォームが改善され腕の負担が少なくなったと考えてよろしいでしょうか。
■新フォームの負担について
体重移動により、力が下半身から上半身、そして腕に順に伝えていくことができれば、上半身の力に頼った投げ方と比べ、負担は小さくなります。
ただし、注意しなければいけないことが2つあります。
まずひとつは、負担は0ではありません。
負担のリスクを最小限に抑えるためには、投球フォームとあわせて日々ケアを行うことが基礎となります。
ピッチング前のウォーミングアップの中で、肩や肘だけを入念に行う選手がいますが、体は全てつながっていますね。
腰の捻りが悪ければ、そのしわ寄せが肩肘に必ずきます。
肩や肘だけを入念に行うのではなく、体全体を時間をかけてストレッチを行うことが大切です。
また、ピッチング後のケアも言うまでもなく大切ですね。
ピッチング後のキャッチボールもただ投げるのではなく、体全体を大きく使って、投球に使った筋肉をストレッチしてあげてください。
その後、ランニング(ウォーキング)とストレッチで疲労物質の除去を促進させてあげて、仕上げに肩と肘のアイシングです。
グラブやバットなどの道具を大切に扱うのと同じく、自分の体も野球をするうえで最も大切な道具です。
そのケアを徹底していくことで、ケガのリスクの低減はもちろん、普段の生活における野球に対する姿勢も変わってきます。
ふたつめは、投球フォームは日々変化するということです。
疲労の蓄積、体の成長、力み、またメンタルなども投球フォームの変化に影響します。
日々これら影響を頭に入れてフォームをチェックする必要があります。
特に、試合で投げるとフォームは変化すると考えておいたほうがよいです。
試合で投げることは、練習で投げることに比べ、フォームは疲労、力み、メンタルの影響を強く受けます。
試合後のキャッチボール、その翌日は、元のフォームに戻す(修正する)という目的の意識を強くもってキャッチボールをしてください。
投球フォームについてはコチラをご覧ください。
⇒ http://www.1baseball-club.com/field_01/index.html
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■ご質問2 毎日投球練習
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美しい投球フォームを自分のものにするために毎日投球練習をしたいのですが、野球肘が心配なので、投球は土日のチームの練習のときだけにし、平日はバッティング練習をしようかと考えています。
この点について、何かアドバイスはありませんでしょうか。
■オーバーワーク(肩肘への負担)について
もちろんオーバーワークについては注意が必要ですが、過度にケガを心配し過ぎて投球の期間を空けることで、逆に急な運動によるケガのリスクもあります。
ですので、きちんとしたケアを行うこと、違和感を感じたら練習をとめる(違和感があることを打ち上げる)ことができる環境を作っておくことが大切です。
極端な話ですが、日ごろ運動しないお父さんがこどもの運動会で走ると、上半身だけが前に出て、足がついてこないということがありますね(私もそうですが)
感覚やイメージは色褪せませんが、実際の動作・筋力は継続していないと後退します。
もちろん休息は必要ですが、一週間の間投げないことは、感覚・イメージと実際の動きに差が出やすいです。
例えば、投球(数)の山と谷を作るというような方法もあります(日曜日に試合で登板すると仮定します)
日曜日 ゲームで登板(大きな山)
月曜日 軽めのキャッチボール(またはノースロー)
火曜日 月曜日よりもやや多めの球数
水曜日 火曜日より多めの球数(大きな山)
木曜日 軽めのキャッチボール
金曜日 火曜日と同等
土曜日 火曜日と同等
日曜日 ゲームで登板(大きな山)
毎日たくさん投げるのではなく、ゲームに最も良い調子になるよう、オリジナルの調整法をつくっておくと球数も無駄に多くなりません。
何個山谷を作るか、どの程度の大きさの山谷を作るかは個人差があり、色々と試しながら作ってみてください。
お父さんのための野球教室
1978年生まれ。奈良県出身。大学関西地方リーグで最優秀投手賞(’97年)、最優秀選手賞(’99年)を受賞し、野球部創設以来初の全国大学野球選手権大会に2度出場。最高成績はベスト8。東海地区、社会人野球の名門へ進み、社会人野球の甲子園である都市対抗野球大会に2度の出場。引退後は、人気野球指導ブログ「お父さんのための野球教室」を開設。体系的でわかり過ぎる野球指導法は小学生の保護者に爆発的な支持を得て、DVDや書籍化。現在も、ブログでの指導法の発信、高校野球の現場で学生野球選手のサポート活動を精力的に行う。
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