【少年野球】ピッチング・「もう立てない」というぐらいまで体を使いきれるか?



教材購入者の方からこのような質問をいただきました。

【質問】

DVDを子供と一緒に拝見しております。

わかりやすい説明をしていただいており、特に下半身の体重移動の部分は、参考になり球がよく伸びるようになったように感じます。

アドバイスをいただきたくメールさせていただきました。

現在、中学1年の野球部に子供が所属しています。

野球が好きで、ピッチャーをやりたいといっています。

しかしながら、小学校時代にチームに入って本格的にやっていたのではなく遊びの中で、やっていただけです。

そのいう状況の中、気になることが出てきました。

レベルの低い話しで申しわけありませんが、聞いていただけますか。

それは、他の子に比べて球速(といってもたかだか95km/h程度)はあるのに、遠投距離が他の子に比べて35~40m程度と極端に短いのです。

他の子は、50m以上は、投げるようです。

本人も口には出しませんが、気にしているようです。

親バカですみません。

本人は、小学校時代、足の速さ、投げる球のスピードには自信をもっていたようですが、遠投ができないと、守備が圧倒的に不利になるため、レギュラーは難しいと感じているようです。

どうも、腕の使い方、肘から先の使い方が悪いような気がします。

時々、監督(野球技術的には、玄人ではありませんが、信頼のおける方)や先輩からもっと遠投距離が出るはずなのにと思われているようです。

その点についてアドバイスされているようですが..

あくまで小生個人が感じる雰囲気として、本人の身体能力からすれば楽に50m以上は、投げれるような気がします。

何かが邪魔をして遠投ができないようです。

肩の筋力自体は強いようですが、腕のしなり、体の開き、体全体を使っての投げ方が適切になっていないよう気がします。

腕だけで投げているような感じです。(内野手がよく使う肘から先でしなやかに投げる送球の仕方ができにくいようです。)

どのようにトレーニングをすれば、良くなるのでしょうか?

それとも、このまま普通にやっていれば、自然と良くなるものでしょうか?

アドバイスいただければ、幸いです。

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■ 「もう立てない」というぐらいまで体を使いきれるか?
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まず遠投力や球速について私の考え方から、書かせて頂きます。

当然投げるフォームもそれらに影響があることは周知の事実ですが、その前に大切なことがあります。

それは自分の持っている体の力を全て使い切るということです。

投げる行為は最終的には手で行いますが、そこに至るまでに下半身から力を伝えていき、最後に手首そして指先からボールに力を加えます。

その過程の中では当然力のロスがあってはボールに伝える力というのが少なくなります。

ですから効率的に力を伝えていくために投球フォームを研究していく必要があるのですが、同時に持っている筋力の力を最大限に発揮させる必要があります。

筋力を高めていくという意識で練習やトレーニングに取り組む選手は多いと思いますが、さらに大切なことはそれをどう発揮させるかということです。

極端に言えば、筋力が非常に強くてもその力を投球で発揮させる技術がなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。

 

逆に筋力は弱くても、持っている力を最大限に発揮させる技術を持っていれば、前述の選手よりも速い球が投げられることもあれば、遠くへ投げることもできます。

これは極端な例ですが、遠投や球速を上げていくにはその両観点を意識しながらのトレーニングを行う必要があります。

そして、「持てる力(筋力)を最大限に発揮させる」ためのトレーニングというのは全く難しいことをする必要はありません。

まず目の前にある1球や1本という単位の練習に全神経を集中させるということです。

「この1球を投げ終わったら、野球が出来なくなる」

もしそういう状況になったら、誰もが絶対に後悔しないよう集中し思いを込めて大切に投げるはずです。

私はキャッチボールからピッチングまで1球1球その状況を想像し取り組みました。

というと精神論のように受け止められがちになるのですが、これを自問自答しながら一度キャッチボールやピッチングに取り組んでいただきたいと思います。

次に体のトレーニングですが、体の力を最大限に発揮させる技術を高めるには走るということが最も効果的であると考えています。

中学生ではその中でも200m~400mの距離を走ることをお勧めしています。

歩幅は通常のダッシュよりも大きくとり、腕は速く振ることを心がけて下さい。

本数はまずは毎日1本です。

200m~400mの中で力を使いきって下さい。

筋力や心肺機能を高めるトレーニングではないので1本です。

その中でどのように走れば全ての力を使いきれるか、「もう立てない」というぐらいまで体を使いきれるかを考えダッシュしてください。

通常は距離や本数を徐々に増やしていきますが、この練習は徐々に距離や本数を減らしていきます。

もの足りないと感じた時は、力を出し切れていないと考え、もっと速くもっと大きく体を動かす必要があると考えるはずです。

この「もっと速く、もっと大きく」という思考が体の力を最大限に発揮させます。

一度この1本トレーニングに取り組んでみて下さい。

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この記事を書いた人沢村勇紀沢村勇紀
中学ボーイズリーグで二度の日本一。
名門・大阪桐蔭高校で、阪神・岩田稔、西武・中村剛也、中日・平田良介、元阪神・西岡剛らとともにプレー。
独立リーグでの球歴も持つスラッガー。
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