ペイロック博士が行ったイップスを未然に防ぐための実験とは?
こんにちは!
野球ソフトボール瞬達塾の川端健太です!!
あなたの教え子さんが
- どうやって打ってたかわからない?
- どうやって投げていたかわからなくなった
と、できていたことが、突如不安に思いできなくなってしまったことありませんか?
こういう不安をスポーツ心理学では、
- スポーツ不安
- チョーキング
と言います。
イップスは、この代表的なものです。
イップスという忌まわしいものを未然に防ぐことが、指導者の役目だと私は思っています。
そのために、イップスを未然に防ぐヒントとなる実験があるので、その実験の内容をお知らせします
あなたの教え子さんが、スポーツ不安に襲われないために最後までお読みください。
フォームに意識を向けてはダメ
チョーキングに関する実験で有名なのは、シカゴ大学の心理学者ペイロック博士たちのグループです。
彼らは、「熟練のアスリートがパフォーマンスを落とす要素は何なのか?」を突き止めるために、以下の実験を行いました。
一つ目の実験は、ゴルファー相手に行った実験です。
対象となったのは、ミシガン州立大学の熟練のゴルフ部員とプロゴルファーです。
彼らに、異なる3点からターゲットに向かって、計20回可能な限りボールをターゲットに近づけることを目標に、パットを打ってもらいました。
条件はつけずに打ってもらう、とターゲットまでの距離は平均で15.09cmでした。
次に、パットをしてる最中にランダムに単音を再生し、音が聞こえた瞬間に「鳴った」と言わせながらパットを打ってもらいました。
そうすると、ボールとターゲットの距離は平均で13.74cmだったそうです。
パットの精度は、「鳴った」と言わせながらでも、下がるどころか上がっていたんですね。
これは凄いなと思いました !
最後に行なった実験は、バットが終了してパターの動きが止まった瞬間に、「止まった」と言わせながら20回のパットを打ってもらいました。
そうすると、ターゲットまでの距離はなんと19.44cmと、明らかにパフォーマンスが低下したのです。
この実験からわかるのは、バットを打つというプログラム化・自動化されている動作に意識が向くと、精度が落ちてしまうということがわかります。
つまり、フォームに意識を向けては駄目だということですね
自動化できていることには意識を向けない
これに似たような実験を、私はしたことがあります。
階段の上り下りをしている時に、右足の動き左足の動きを意識で動かしながら階段を降りたことがあるんです。
これ、メッチャ危ないですよ!
何度もこけそうになりました。
絶対にマネしないでかださい笑
自動化できているものには意識を向けないことが重要だと、この実験と私の階段実験で分かりますね
もう一つ、ペイロック博士らが行った興味深い実験があります。
相手のレベルによって指導を変える
それは、サッカー選手にドリブルを行ってもらう実験です。
コーンの間を、ジグザグにドリブルするパターン 。
- ドリブル中に複数回ランダムに単音を鳴らし、音が鳴った瞬間に足の甲のアウトサイドかインサイドのどちらでボールを蹴ったかを、声に出して言わせるというパターン(技術集中課題 )
- ドリブル中に単語を聞かせ、その単語を声に出しながらドリブルするパターン(二重課題)
この実験の結果は、上級者は技術集中課題の方が二重課題よりもタイムが悪く、初級から中級の選手は技術集中課題の方がタイムが速かったそうです。
面白いことに、上級者でも利き足ではない足では、二重課題の方がタイムが速かったそうです。
この実験からわかることは、選手のレベルによって技術集中課題にするか二重課題にするかを、普段の練習で意識して指導することが重要だということがわかります。
「え、じゃあフォームはどうやったら良くなるの?」と思う方がみえるでしょう。
これは、今後機会がありましたらブログでお伝えしていきますね!
まとめ
今日は、ペイロック博士らが行った実験を紹介しました。
実験でわかったことは、
- 上級者ほど体に意識を向けないで練習をする
- 初中級者は身体に意識を向けた方がいい
ということでした。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます!
あなたの教え子さんが瞬達しますように!!
脳科学、古武術などの身体操作、コンディショニング調整法などを学び独自の理論を確立
全国各地で野球ソフトボール教室を900回以上開催し2万人以上の選手、指導者を指導
野球雑誌『BaseballClinic』さんのコラムを担当。
主な指導チーム
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