野球肩は、本当に手術をしないと治らないのか?
お父さんのための野球教室のブログをご覧の皆さんこんにちは!
京都市北区にあります、MORIピッチングラボ代表の森です。
今回も、野球のピッチングにおけるヒントやコツをお伝えします。
今回のテーマは、「骨や軟骨を痛めるような野球肩に対する私の考え方」です。
野球肩に手術は必要なのか?
よくいただくご質問の中に、「野球肩は手術をしないと治らないんですか?」というものがあります。
これは、
- 野球肩がなかなか治らずそう思われる方
- 病院で手術だと言われてそれしか方法がないのかと思われている方
など、理由は様々です。
結論から言うと、「必ずしもそうでない。」と答えることができます。
- 軟骨や骨を損傷している場合
- 筋肉靱帯断裂の場合
は、病院で検査などを受け、診断を受けるケースが多いです。
そして、
- 保存療法(手術をしない)
- 手術
という、2つの選択肢に分かれます。
基本的に、まずは保存療法(いわゆるリハビリ)から始めて、何か月か行っても改善しなかったら手術になります。
ここで考えて欲しいポイントがあります。
なぜ病院でMRIやレントゲンを撮って診断して、明らかに骨や靱帯に異常があるのに、手術ですぐ治してしまわずにリハビリを行うのか。
それは、野球肩は「構造的な問題ではなく、機能的な問題」だからです。
構造的な問題と機能的な問題の違いとは?
- 機能的な問題 → フォームや体の使い方、筋肉の動きに問題があるということです。
- 構造的な問題 → 明らかに骨や軟骨自体の問題であるということです。
例えば、腕を骨折してボールが投げられなくなったとします。
この場合、いくらフォームや体の使い方を治しても、投げることはできません。
構造的な問題が原因だからです。
一方で、野球肩は基本的に日常生活では痛みは出ません。
投げるという動作においてのみ痛みが出るので、基本的には機能的な問題です。
日常生活でも肩が痛く、肩があがらない。
これは、野球肩ではないということになります。
ですので、基本的に野球肩は機能的な問題だと考えてください。
例えばレントゲンを撮って、構造的な面にも問題がある場合でも、数か月は機能的な回復を求めて保存療法を行います。
機能的なアプローチで、改善する可能性があるからです。
多少の構造的な問題があったとしても、投げられる可能性があるということです。
投げられる投げれないというのは、機能的な回復の質にかかってきます。
構造的に問題があっても、必ずしも手術になるということはないです。
機能的な治療やトレーニングを受けることができれば、投げられる可能性があります。
ただ、どんなに機能的な
- 良いリハビリ
- 治療
- トレーニング
をしても、構造的な問題から治らないというケースもあります。
その場合は、手術を選択せざるを得ません。
この見極めはすごく難しくて、いかに機能的な治療を高められるかどうかにかかってきます。
機能的な問題を解決するには?
1、投球フォーム
投げ方はとても重要です。
投げ方が悪かったり元の投げ方ができなくなってしまうと、なかなか治りません。
元のフォームに戻してあげるなど、フォームの改善が必要です。
2、筋肉の出力
筋肉の力が入るか入らないかという、筋肉の働きです。
しっかりと力が入り、筋肉を機能させることができれば、構造的な問題があっても投げられるようになる可能性は高くなります。
まとめ
今回は、軟骨や骨を痛める野球肩の治療についてお話させていただきました。
少し難しいお話になってしまいましたが、「手術をしないと治らないのか」という問いに関しては、「必ずしもそうでない。」と答えることができます。
鹿児島県沖永良部島出身
鹿児島樟南高校で甲子園出場
京都市北区北野白梅町で、もり鍼灸整骨院を運営する傍ら、ピッチングラボを開設。
野球専門治療に始まり、ピッチングの指導を行う。
これまで全国3000人近くの選手や子供たちの指導に携わる。
ピッチングラボでは、野球で肩や肘を壊すことなく、長く野球を楽しんでもらうためのサポートをおこなっている。
MORIピッチングラボ代表
もり鍼灸整骨院 院長
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